便秘解消を目指すポイントとなるのが「食物繊維」です。
機能性便秘は、生活習慣を整えて食物繊維を十分に摂取することで改善できます。
食物繊維は、「人が持つ消化酵素では消化できない難消化成分」のことを指しています。
食物に含まれるタンパク質や脂質などが消化液に含まれる酵素によって分解されるのですが、食物繊維は消化されずに大腸へと到達します。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2つがあるのです。
水溶性食物繊維
便に溶け込むことで便を柔らかくします。
便通を改善させる作用があるといわれていて、主に海藻類や納豆、ごぼうなどに多く含まれています。
不溶性の食物繊維
野菜類やきのこ類、こんにゃくなどに多く含まれる食物繊維です。
腸の運動を活発にして便通を改善させる作用があるといわれています。
1日に1回、Mサイズの鶏卵約3個分に相当する排便がある場合は、食物繊維が足りていると考えられます。
便の量が少ない場合は、積極的に食物繊維を摂取するようにしましょう。
食事量が少ないことが原因で便秘になる場合があります。
特に、高齢者は食が細くなることが原因で便秘になりやすいとされています。
食が細くなる原因を取り除くことが大切となります。
食欲があるのに食事量が少ないのであれば、食事量を見直すようにしましょう。
間違ったダイエットが原因の便秘
ダイエットで食事量を減らすとどうしても便秘になりがちです。
それはどうしてでしょうか。
野菜を多くするように心がけていても効果がありません。
ダイエット中の便秘は、食事量全体が少なくなることが最も大きな原因です。
おすすめしたいのが、野菜、きのこ、こんにゃく、海藻などの食物繊維たっぷり食材です。
低カロリーで、腸の中で、善玉菌を増やすはたらきもあります。
かぼちゃやれんこんなど一部のものを除くと、ほとんどが、量を気にせず食べられる低カロリー食材です。
毎食、たっぷりの野菜を食べるようにしましょう。
サラダで生野菜を多くすることを心がけている人も多いと思います。
生だけではなく、ゆでたり蒸したり、煮たりと加熱するとたっぷり食べることができます。
玄米などの精白していない穀類や豆、いも類も食物繊維が豊富な食材です。
これらは、低カロリー食品ではないので、適量を毎食食べたいところです。
脂肪を極端に制限するのも便秘の原因のひとつです。
脂肪は便を軟らかくし、滑らかにする作用があります。
ですので、腸内で脂肪酸に変わることで、腸の水分吸収が抑えられ、便秘の可能性も低くなるのです。
脂肪は1gあたりのカロリーが9kcalとたんぱく質や炭水化物(糖質)の4kcalと比べ、倍以上あります。
このことから、とりすぎは禁物なのですが、調理に使う油と調味料(マヨネーズ・ドレッシング)などをあわせて1日に大さじ1杯分の油は必要です。
油を選ぶのには質も大切となります。
植物性の油や背の青い魚に含まれる必須脂肪酸は私たちのからだでは作り出せない物質です。
ダイエット中の食事にも上手にとりいれるようにしましょう。
あわせて水分摂取もしっかりと取るようにします。
脂質と水分が適度にミックスされている牛乳はおすすめです。
野菜は食べ方によっては便秘の原因!
野菜など食物繊維が含まれている食べ物を食べると、逆に便秘が悪化してしまうことも。
ダイエットや健康を理由に、グリーンスムージーやローフードや野菜ジュースなど、ヘルシーな食事は、逆効果になってしまうことがあるのです。
特に、野菜・豆類・ごはんに含まれている「不溶性食物繊維」を摂り過ぎると、逆効果になってしまうのです。
不溶性食物繊維は腸の中に入ると、水を吸って膨らみます。
それによって腸を刺激し、押し出す動きである蠕動(ぜんどう)運動を活発にするのです。
しかし、沢山の不溶性食物繊維を摂り過ぎると、腸との相性によって、水を吸い過ぎて固くなってしまいます。
それで便秘になってしまうことがあるのです。
食物繊維を摂る前よりも悪い状態になることがあります。
健康になろうとして、反対に健康を損ねてしまう結果になってしまうのです。
こういうことにならないための対策として、水溶性食物繊維を取ることが必要となるのです。
水溶性食物繊維が重要な理由は、スムーズな排便効果と腸内細菌の善玉菌です。
善玉菌のエサとなる食物繊維なのですが、不溶性の方はエサになりづらいのです。
水溶性食物繊維は、不溶性と比べても善玉菌に分解されやすいのです。
分解されれば善玉菌は短鎖脂肪酸やガスを生み出すことによって、腸内環境を悪玉菌が繁殖しづらいよい環境にしてくれます。
悪玉菌が多いと腸の動きが弱くなってしまうので、善玉菌を増やす必要があるのです。
一般的に食物繊維を摂りましょうと言っている場合は、殆どの場合、不溶性食物繊維であり、オススメされている食品は大抵は野菜です。
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